このレビューはネタバレを含みます
子どもの連続失踪事件が起きている町で誘拐されてしまった少年フィニー。
閉じ込められた地下室には、黒電話。やがて、断線しているはずの黒電話が鳴り……。
被害者の子どもたちから黒電話を通じて、これまで彼らが脱出しようとした方法が伝えられる。
どれも1つ1つは上手くいかないが、最後に彼らの無念がフィニーを通して実を結んだかのように、すべてが繋がって脱出できるという展開がよかった。
フィニーの友人ロビンが戦うための術を授けるところは素直に胸が熱くなる。
子どもたちをゲームのように殺してきたグラバーは、最終的に彼らが積み重ねてきた知恵と勇気に負ける。
家庭でも学校でも暴力が身近にあったフィニーのジュブナイル映画としての要素が大きい。
ホラーとジュブナイルは親和性があり、この作品もどうにもならない葛藤や理不尽な抑圧に耐えていた少年が恐怖に立ち向かいながら成長していく、というカタルシスがあった。
それはフィニーの妹グウェンにも言えることで、予知夢を見て父親から暴力を受けていた彼女はその力で兄を救おうと奮闘する。
そんな勇敢なグヴェンの姿には胸を打たれた。
イーサン・ホーク演じるグラバーはずっと仮面を被っているが、さすがの存在感。
鑑賞後の満足感大!な作品でした。