法廷遊戯のなぎのネタバレレビュー・内容・結末

主人公の視点で没頭して見たので、
最初から最後まで、ずっと不穏な空気、不安定な気持ちを抱えて、その糸が切れないままあっという間に終わった映画だった。
清義の視点で映し出される映像や、息遣いがその不安な気持ちを増幅させていった。

どうしてこんなに不安なのだろうと思った。
人は忘れることのできない罪悪感を抱えると、ずっと体の真ん中に渦巻いて、蝕まれていく。
息が苦しくなる。
清義は正義感と罪悪感の間で揺れ続けた人なんだと思った。

ドラマ版の白夜行のことを思い出した。
「本当の罰は心と記憶に下される」という言葉をトラウマかのように覚えている。
それは清義にも美鈴にも。

3人のキャストがとてもハマり役だった。
大森南朋さんも！
杉咲花ちゃんの狂い咲きは一見の価値あり。
永瀬廉の他にはない儚さと透き通った声が観る人を惹きつけながらも不安定な気持ちにさせてくれたと思う。
崇高で聡明な馨は北村匠海そのものだった。