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法廷遊戯のkomagire23のネタバレレビュー・内容・結末

法廷遊戯(2023年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

(完全ネタバレですので、必ず映画鑑賞後にお読み下さい)

2023年の邦画で個人的には1番面白かったです!

この映画『法廷遊戯』は、個人的には見た範囲の2023年の邦画の中で1番面白かったです。

この作品が優れているのはまず、
・父の名誉を回復しようと生きる結城馨(北村匠海さん)
・社会や人々に対する絶望と復讐心を持ちながら清義だけは信じている織本美鈴(杉咲花さん)
・美鈴を救いそして社会や人々を救おうとしている久我清義(永瀬廉さん)

の3人の登場人物の一貫性です。

そして3人それぞれが自身の目的(父の名誉の回復、社会や人々への復讐、美鈴と社会や人々の救済)のために法律を利用し駆使します。

私はまずこの映画の最後まで貫かれた3人(あるいは他の登場人物も含めて)の一貫性に感嘆しました。

さらにこの映画は展開がスピーディーで二転三転し、日本映画にありがちな冗長さが全くない作品でした。
エンターテインメントとしても大変優れた作品だと思われました。

そして映画の描写はディティールの点で大変リアリティある描写になっていたと思われます。
例えば途中に出てくる検事や傍聴席の記者といったちょっとした役の人にもリアリティがあり、法廷での審理も私が知る限り全く違和感なく最後まで見ることが出来ました。

かつ最後には、表層や党派的にしか見ない社会の人々や識者に対して、ナイフを突き立てる映画にもなっていました。
これは今現在も進行中の、物事を多角的に検証し見ようとしない日本の社会や識者に対する問題の現状を正確に指さしていて、現在性や社会性ある作品にも仕上がっていると思われました。

この登場人物のそれぞれの一貫性、展開のスピード感と二転三転、いま日本で起こっている問題の本質に到達している内容、などから、個人的には文句なしの鑑賞した中では2023年のNO.1の邦画だったなと思われています。

永瀬廉さん、北村匠海さんの演技も素晴らしく、杉咲花さんに至っては圧巻の演技だったと思われています。
大変面白かったです。ありがとうございました。
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