海月

almost peopleの海月のネタバレレビュー・内容・結末

almost people(2023年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

オムニバス作品の四つある話しの中二つ大きく引っかかったのは長女の話「Humanoid」と次女の話「Honeymoon Baby」

まず長女の話「Humanoid」
これは、観る人のこれまでの環境とか考え方で大分見え方は違うだろうと思う。だろうとは思うけど!ちょっと、うーん。
考えさせられましたって感想出てきそうだなって想像してしまった。
そういう人は考えさせられる特権を持ってることに気づいてほしい。

自らが抱えている状態にさえ向き合うことができずもがき苦しんでいる人。諦めてしまう人。そういった人にとどめを刺す危険があった。

社会に溢れる社会問題だがほとんどが男性側から発生した問題だが女性が太刀打ちできない問題の様に描かれていて嫌だった。そしてこれは後から気づいたけど男性が作った話なんだよなって気づいてからもう全然無理になった。
問題は誰が何故どこの立ち位置から何を言っているのかが重要で足を踏んでる人が足を踏みながら
「ほら、ね?踏んでるでしょ?これこれ!ここ見て!」
って言うことのグロさ。

多方面から槍を投げられ、傷だらけになりながらも日々社会の不平等と向き合いながら戦っている女性
今、ずっと長い間、火水子のような思いをしてる人はごまんといる。
しかしみんな怒っているよ。今まで黙らされていたことも怒っているし、その怒りの声もやっと、少しだけ届き出してきている。

しかしこの映画では終始他人事のような、ここまで踏ん張って頑張ってきたことをコケにしてるような
多様性を突拍子もない角度から阻害する人間まで登場する。

現実で多くの人が疲弊していることの問題をそのまま見せてしまう恐さ。

見せつけるだけで映画として物語の中に救いや兆しがないからとにかく辛い
要するにこんな思いしてるでしょ?と
火水子も結局「難しいことは解決できない、象徴とだけ利用される、結局ケア役に回される女」のまま物語は進んでしまう。
我々はこんな光景がなくなる日を心から願っているんじゃなかったか?
こんな社会問題女性蔑視のメイキングをわざわざ映画として発表してくれなくていいですよ。それもエンタメ消費するような表現の仕方で。恋愛で急にバグる男いるよねー、愛してるキモっ、どうして?ってどうして??分かるーあるあるだよねーって見ればいいの?悪趣味だなあ。やだやだ。

この先を見せてくれよ。
だから、「これからどうするのか」を。

個人的に凄く違和感だったのはなんか、微妙な、曖昧な感じで同性愛を匂わせたところ。
あれ、なんですか???
中途半端に扱って何です?率直に嫌でした。
多様性の討論会みたいなシーンも酷い
クソみたいな奴が映画の中ではせめてボコボコにされてまだ救われたわーこんな奴本当にいるもんねーって見方もできなくはないが、そもそも出すなこんな奴登場人物として
吐かすなあんな台詞
あそこでまずあんな役を入れずに、人は必ずしも分かり合えることばかりではないが、色々な立場の人が討論の始めから参加し意見を言い合うことで完全な合意とまでは行かないが気持ちの落とし所はせめて見つけることは出来る。みたいな流れになってくれれば未来が見えるし全然違うものになったと思うんだけど。「ウーマントーキング」みたいにさ。

社会問題に立ち向かう人を最後まで一方的に話のネタにして終わっちゃったのが凄く残念だった。
社会問題に当事者じゃない人なんていないはずなのに最後まで当事者目線に感じられなかったし、不気味。そう、不気味だなあって観てた。2回観てやっぱりそう思ったのでもうこれはそうなんだろう。

なんなんだ!
ジョーカーの出てこないジョーカーかよ!

結局男たちが作るとこうなんだな
次は、羽ばたいた後は、
女たちが作った火水子が観てみたいな
羽ばたいた火水子が帰ってきて
バッタバッタこの映画で描かれている問題をはっ倒していく今回のものを付箋として回収しまくる清々しいものを観たい

マジョリティがいつ終わるか分からない議論が終わるまでマイノリティは待たなくてはいけない。マジョリティの議論が終わるまでマイノリティのみなさん不利益を被っててくださいね?ってことと同じ。「これから議論していきます」と言える特権がある。

それは本当に生き心地の良い社会なんだろうか。

そんなことを我々は休みなく考え、あらゆる呪いを解くことに、次から次へと出てくる新たな問題と対峙しながら、それでも疑いながら信頼を築いてきた仲間たちと連帯し、なんとかやってきたんじゃないのか?

それをこんな風に嘲笑側、冷笑側からの目線で上から語らないでくれ。皮肉を言う位置間違えてるよ。最初から最後までキーさんと(キーさんの芝居は素晴らしいよ映画の内容のことね)同じ目線と距離で真剣に社会と向き合う人をバカにするな!

この映画で賛否の否の声が上げられない、拾われないのであれば、映画の存在意義とは?文化とは何?と頭を抱えてしまうな。


次、次女の話「Honeymoon Baby」
もーーーーーう、問題外
あり得ないよー!!!!!
生徒と先生、未成年と親子ほど歳の離れたおっさんとの関係にロマンスなんて生むなよー
🥵🥵🥵えええ???まだこんなレベルなんですか?って膝から崩れ落ちた。試写の時私悲鳴上げてませんでした?大丈夫でした??
しかも、最後、子供が…👶😭😱😱😱
グロすぎるってー!!!!!
ちょっとこれは、意識を、変えてもらえませんか…
これ、誰も異論を唱える人いなかったんですか?????
いなかったんでしょうね、だからこうやって完成してしまってるんだから。
YouTubeとか見返してみてもみんなこの話スルーしてるし爽やかな風が〜とか言ってるし本当に見えてないんだな…
ちょーっと激ヤバだと思いますよこの感覚…
もう嫌だ…もういいです…きつい…
私は守屋作品のファンだしこれからも好きでいたいので、少し振り返ってはみては如何でしょうか。と思ってます…
海月

海月