ワ

TALK TO ME/トーク・トゥ・ミーのワのネタバレレビュー・内容・結末

3.2

このレビューはネタバレを含みます

応募していたオンライン試写に当選したので鑑賞!Filmarksさんありがとうございます。

A24の作品で興行収入が1位、ミッドサマーを超えたとのことで期待して観たんだけど、思ってた感じと違うかった!

テーマは憑依で、日本でいうところのこっくりさんみたいにアイテムを使い、決まったセリフを唱えることで霊を呼び出して自身に憑依させるというもの。その間はいわゆる薬物的なトリップ(自分の体が自分でなくなるような?)感覚で、若者グループで流行りになっていたよう。

キーアイテムである手のオブジェは譲り受けたものらしく、その出どころは不明。霊媒師とかとにかく霊を扱う人の切り落とされた腕をセラミックで固めたもので、中には本物の腕が入っているとかいないとか。

何かに溺れ、体を乗っ取られ、自分が意図しない行動を起こし、人が離れていった結果、破滅への一途を辿ってしまう。他の方のレビュー見て、若い世代のドラッグやSNSによるトラブルを描いているというのを見て納得。

しかし、そんな本質からは離れていると分かっているものの、手のオブジェが誕生した経緯とか、そもそもこの憑依はどういうシステムでライリーの魂はどこでどうなってるのかみたいなのが知りたくなってしまった。え、人が代理でできるの?とか指名?!みたいな(笑) ちょっと都合よく進みすぎた感があって、いまいち緊迫感に欠けるというか。

あと、ずっと同じ不穏なテンションが続いていくので、個人的には間伸びした印象を受けた。ライリーに憑依したところが1番の盛り上がりポイントだったかも。

面白かったというか演出上いいなと思ったのは、主人公のミアは既に体を乗っ取られつつあるので、どれが幻覚でどれが本物かこっちまで分からなくなるところ。視聴者側はなんとなく現実のミアの周囲にいる人たちの反応で分かるんだけど、自分がおかしくなっているのか、どれが現実として信じるべきものなのか分からなくなるので、ハラハラドキドキするシーンも多数あった。日本ではあまりないことだろうけど、ここら辺はまさにドラッグによる健康被害なんかを投影してるんじゃないかなぁ。

あとラストがかなり好きだった。手はまたどこかの誰かに手渡され、今度はミア自身が"そっち側"に回ってしまうというもの。信じるべきものを見定めて、大切なものを守れていたら違う結果があったのかもしれない。
ワ