じょせ

TALK TO ME/トーク・トゥ・ミーのじょせのレビュー・感想・評価

4.2
軽い気持ちで降霊術に興じた結果、悪いモノに惑わされて破滅的に事態に陥る…と、究極的に要約すればそれだけの話なのだけど、さして悪人ではないがだらしなく自己中な部分もあるような登場人物たちの造形、関係性の微妙なニュアンスの表現する会話も巧みで飽きさせない。というよりも、優れてこわい。

ドラッグをキメるように降霊を繰り返すというところに新鮮さがあるが、実は神秘体験がドラッグ体験と重ね合わされるやり方自体は古くからある。全体的にもクラシックな心霊ホラーの語り口で、たとえばあロバート・ワイズの「たたり」などを思い出す。つまり、決定的なことは描かれず、超自然的な存在の実在についてはあいまいなままに留められているというわけ。

「呪い」の法則を解明するみたいな定番パターンにハマると事務処理っぽい感じになりがちだけど、そっちに行かずにとにかく事態が嫌な方向にひた走るし、主人公にはぜんぜん気が許せない。

オープニングのシーケンスから強烈で、序盤からずっと「もうやめてくれ〜」となり続け、楽しい気分にまったくなれない。
じょせ

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