現代の(アンチ)シックス・センス、過激派ワイも思わずニッコリな純愛映画。しかし序盤こそ素粒子だの何だの言ってたのに、結局エモーションとは異質な感情論で押し進めていく脚本の甘さは指摘されるべきだと思う。
撮影は過剰なフォーカスよりも、元少年Aと母が自動車横で向かい合うシーンの『サッド ヴァケイション』みたいな構図、長いティルトダウンから緩やかなズームへ移行していくクレーンショットの方が遥かに印象的だった。
ただしつこく二視点を往来するクライマックスの朗読劇(感情モリモリの濱口映画みたい)や合唱シーンなど、総じて観客の想像力を全く信用していない胸焼けするほど説明過多な現代映画と思います。