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Le Tombeau de Kafka(原題)
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『Le Tombeau de Kafka(原題)』に投稿された感想・評価

「部屋を出る必要はない。机の前に座って待て。待つことさえ必要ない。ただ静かにしていれば、世界の方からおまえの前に姿を現す。」カフカの一節から始まる映画。

驚くほど何も起こらない。窓辺に滞留する光、壁面をゆっくりと横断する陰翳、遠景からの物音といった、出来事以前の微細な現象のみが知覚できる。人物はドラマを牽引させる存在ではなく、風景と同じ密度で質量を分かち合う。因果や展開ではなく、光の推移、静寂の厚み、持続する時間の堆積そのものが映像を形成していた。
映画は何かを表象する媒体ではなく、知覚が世界へ同調していくための緩慢な器官となり、現前する事物のありように身を委ねることを求められる。沈黙の持続は、世界がこちらへ姿を現すのを待ち続けたカフカの感受性と響き合い、見ることを受動ではなく、現象の到来を待機する能動的な営みへと変えていく。ベニングよりもより詩的に感じるのは所々に挿入される森や鹿のショットと暗転があるからだろうか。
メモ
窓、屋根、森、鹿、蜂、短調

他作品視聴メモ
eaux profondes 金魚
nuit blanche 雪と馬
senza mostra 曇り空(霧)、港
Un jour 海辺、犬
Un autre jour 晴れ、夫婦、子供
partage des eaux 緑川、飛び込み
Ou sont tous mes amants?森、口笛
Fantastique トマソン階段、壁すり抜け
Souvenir d’athènes アクロポリス、犬
La Villa 階段、机、窓、林
Terrasse avec vue サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂、カフェテラス、自由が丘で撮られた篠原一男のインタビュー映像を思い出した。もう一度見たい
5
4.0
1人の男性の室内の動向を定点で撮り、周辺の気候や人の声に応じて窓の開閉やブラインドの上下、彼が長年使用しているとみられるいかにもアンティークな丸い取手の引き出しの机と椅子に腰掛け、飲み物を飲んだり読書に没頭する様子が流れる。
机上にはハット、壁にはミラーが掛けられていることからこの男性が外へ出かける際に身なりを整える場所でもあるのだろう、キッチンや寝室、リビングなどといった室は映されず、ただ淡々と生活を見せながらも突然に蜂の死骸を手持ち撮影、また自然の中に佇む動物の映像が差し込まれる。
コロナの時期に撮影された室内のワンシーンなのか、伴侶を失った男性の余生の示唆なのか、はたまた単純化された休日の過ごし方についてなのか。
題名は「le tombeau de kafka/カフカの墓」。もし引用元があるのなら知りたい。

2025|29|11,18