Monsieurおむすび

窓ぎわのトットちゃんのMonsieurおむすびのレビュー・感想・評価

窓ぎわのトットちゃん(2023年製作の映画)
4.0
トットちゃんこと黒柳徹子さんの幼少期を綴った小説のアニメ化。
好奇心旺盛で落ち着きがないことから、変な子として見られ、遂には学校を退学させられてしまうトットちゃんが、自由を重んじるトモエ学園入学をきっかけに個性を開花させていく前半から、徐々に軍靴の足音が聞こえてくる展開へと変移していく。

優しく高潔な両親。
思いやりに溢れる級友たち。
子どもを分け隔てなく愛する小林先生。

多くの人の温かい心と戦争や喪失の悲しい記憶が今の黒柳徹子さんを作り上げたのだと納得。
戦争末期の日本で、裕福な家庭環境のトットちゃんの視点が、ある事をきっかけに日常に潜んでいた戦争を捉え出すシークエンスは込み上げるものがあった。

昭和テイストの作画と色彩を活かした少女の夢想空間など、アニメーションらしい映像表現も評価でき、大人から子どもまで楽しめると思う。
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