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窓ぎわのトットちゃんのSSのネタバレレビュー・内容・結末

窓ぎわのトットちゃん(2023年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

問題のある子どもとしてとらえられていた幼少期の黒柳徹子が、とある学校と先生に出会い明るい未来へ歩んでいく自叙伝かと思ったが、そういえば彼女は戦時中の日本を生き抜いた壮絶な人生を送った人物だということを忘れていた。ここまで重い作品だとは思わなかった。火垂るの墓やさよならほやマンを見たときと似たつらさを覚えた。
校長先生の優しさ、子どもがのびのび成長するための自由さ、ただ優しくふるまうだけでなく、自分でやる・考えるということを教育する指導者としての姿が本当に尊敬した。
ハンディキャップを抱えてる子がいたら、特別な対応をするのではなく、足並みそろえて一緒に歩いていくというトモエ学園を「良い学校」と生徒たちに言ってもらい、静かに泣く校長の後ろ姿はに涙なしには見られなかった。
しかし、そんな幸せな環境を破壊するだけでなく、いつもの駅員さんがいなくなっているという残酷さを生み出した戦争の非情さが見ていてつらかった。
そんな中訪れた泰明ちゃんの突然の死がさらに気分をどん底に叩き落した。
それでも、泰明ちゃんにとっては幸せな生涯だっただろうし、トモエ学園の子たちが過ごした日々は間違いなくその後の人生で大きな糧となっていると願いたい。
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