ヒロシー

窓ぎわのトットちゃんのヒロシーのレビュー・感想・評価

窓ぎわのトットちゃん(2023年製作の映画)
4.0
素晴らしい。まずトットちゃんをはじめとする子供達のアニメーションが良い。生き生きとして危なっかしく、白にも黒にも簡単に染まる無邪気さが台詞以上に動きでありありと表現している。その舞台となるトモエ学園、映画の背景としても実際の学校としても何と魅力的なことか。あの小林先生を任せられるのは確かに役所広司レベルしかいないだろう。

トットちゃん一家は明らかに裕福な家庭で、戦争が進む中でその裕福さが少しずつ剥がれ落ちていく。それが無邪気な子供目線だからこそガツンと響く。この落差がある種の分かりやすさに繋がっていて、本作を鑑賞すべき対象を広くしていることを高く評価したい。黒柳徹子本人が数十年、あらゆる映画化企画を断り続け、アニメーションとして今の時代に作られた意義は非常に大きい。
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