このレビューはネタバレを含みます
日本歴代ベストセラーの窓際のトットちゃん
原作の名前は知っていましたが、見たことはありませんでした。何か変わった学園での自叙伝?それくらいの知識。
映画館で目が赤くなるほど泣きました。
自由奔放で素直なトットちゃんと、少し変わったお友達、優しくてどっしりと見守ってくれる校長先生。学園での生活を通してトットちゃんの成長が描かれる。
テーマは児童教育、障害、戦争。どれも難しくて重いのに、トットちゃんのジャンプを交えて朗らかに描かれる。
子供は白い紙だったり、透明な水だったりする。そこに色を落とすだけの画一的な教育ではなく、余白を広げるような自由さ。自分で解決する力を育む寛容さ。そして傷を残さない見えない配慮。校長先生の子供への愛があってこその自由さなのだと気づき、涙が溢れました。
また障害を哀れむでもなく、蔑むでもなく、けれど手助けしすぎず本人の可能性を尊重する。ありのままを受け入れる純粋さ。これが理想であり、一番難しく、だからこそ美しかったです。
言葉には言い表せない沢山の感情がごちゃまぜになる、素晴らしい映画でした。