原作は未読。
黒柳徹子の自伝だから当たり前なんだけど、戦前の中産階級の日常が段々と大日本帝国風に変質していく様がとてもリアル。ちびまる子ちゃんの映画並みに豊かなとっとちゃんの精神世界に社会が追い付いてない感じが辛い。
いつもラジオで流れている天気予報が開戦のニュースで中断されたり、とっとちゃんが迎えた新学年の登校日に出兵する学生を見送る人だかりができてたり、日常風景が少しずつ戦時のそれに置き換わっていく。駅員のおじさんもいつの間にかいなくなって……。
日本が戦争に負けなかったらずっと大政翼賛会が続いていたわけで、敗戦して良かったとつくづく思うと同時に昭和天皇が責任を逃れて未だに天皇制が続いていることが許せない。
今は今でこの時代と同じ歴史を繰り返そうとしてるし……。
もし有事になったら……とかいう言説が今の社会を覆ってるけど、有事は国会から起きるんだよ。
絵本とか水彩画のような生き生きとしたアニメーションが当時の風景を色鮮やかに映し出し、本当にこの時代にタイムトラベルしたような気分になった……。