本作のタイトルチューンであるYoasobiの「アイドル」の斬新さと鮮烈さに衝撃を受けた。とは言え相変わらずアニメ視聴に慎重な自分は楽曲とアニメ本体は切り離しておこうと思っていたが、ふと覗いた「ネタバレ」の濃さに想像は膨らみ「とりあえず1話だけでも見てみようか…」のはずが一気に最新話まで見てしまった。
原作未完結な上に、アニメ化作品の第一話という位置付けながら「アイドル稼業におけるセルフプロデュースの栄華と綻びと嘘と悲劇」を描き切っている。特筆すべきは「悲劇」の描写。その悲劇の引き金となる嘘が極めてパーソナルな問題であるが故に「アイドルはこんな平凡な幸せすら願うことを憚られるのか」と哀れみすら感じた。
誤解を恐れず言えば、アイドルすなわち自己愛の肥大であるし完璧な演技性人格である。けれども十把一絡げの「自己愛人格」とスターアイドルを隔てる物は「己への愛がブーストして支援者の元へ届いている」かのような構図の有無であろうと思う。
前述した通り本作は、アニメ化の第一話という位置付けなので、おそらくは「悲劇」に至った動機や遠因、「完璧なアイドル、アイ」のカリスマ性などは意図的に薄く描写されている。それ故に突然の悲劇に唐突さを感じなかったかといえば嘘になるが、冒頭に書いたようにアニメをほとんど見ない自分が一気見してしまうほどの魅力がある作品である事は間違いない。
原作一気読みしちゃおうかな…
