Maoryu002

クリティカル・ケアのMaoryu002のレビュー・感想・評価

クリティカル・ケア(1997年製作の映画)
3.5
有望な若き医師ワーナー・アーネスト(ジェームズ・スペイダー)は生命維持装置につながれた老人の遺産を巡る、その娘たちの争いに巻き込まれる。さらに利益を追い求める病院の姿勢を目の当たりにし、改めて医師の役割を見つめ直すようになる。

社会派ドラマの第一人者、シドニー・ルメット監督作品。

しかし、「ネットワーク」や「評決」のようなインパクトや感動はなかったなー。かなり無駄にファンタジー要素を入れてしまったのが残念。
まだ、90年代当時の若きジェームズ・スペイダーには荷が重かったというのもあるかも。

安楽死については大いに議論の余地があるけど、この映画はもっと浅いところで医療制度や医師たちに問題点があることを訴えている。
日本とアメリカでは医療制度が違うものの、アルバート・ブルックス演じる古ダヌキの、“奴は保険なんかに入るから楽に死ねずに苦しむんだ、俺はニッコリ笑って死ぬぜ!” ってセリフが凄いパンチ力。
患者をダシに病院と医者と保険会社の間で金が動く仕組みが恐ろしく、生かされ苦しみ続ける当事者はたまったもんじゃない。

ヘレン・ミレンはさすがの存在感だったけど、アン・バンクロフト、キーラ・セジウィック、ジェフリー・ライトはやや印象薄かったかな。
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