もる

さらば、わが愛/覇王別姫 4Kのもるのネタバレレビュー・内容・結末

4.2

このレビューはネタバレを含みます

なにこれ まだ信じられないかも
そら日本てか国外で配信ないわな
今回もよう劇場公開できたな
ほんとに今、今観て、産まれる前の映画とは思えないほどの新しさだった、なにこれ?

最初菊仙のこと「なにこのぽっと出の女😅」て思ってたんだけど、関係性がだんだん変化していって、結局愛に殉じた姫はふたりいたんやなって思うともうあの裏切りが辛すぎて吐きそう、時代、時代が悪いんだけど、蝶衣の心は新時代に殺されたんだと思うともうもうもう
うつくしい蝶衣の顔が汗とか涙で化粧崩れると一転男というか化け物みたいに見えるのが凄まじい
すっぴんできれいな菊仙との対比が 結局男であることを捨てられなかった蝶衣と生まれながらにして女の菊仙
最後の「小豆…」でいまだに息が止まる
なんだこれ ほんまに3時間あったんか?

ごめんほんま小楼のことなんか捨てて菊仙と蝶衣でどうにか離れ離れでも幸せになられへんかと思うんやがふたりを繋ぐのもまた小楼なんよな
王なくしてふたりの姫が出会うことはなかったし交わろうとも思わなかっただろう
途中までは悪役令嬢みたいやな〜て思ってたけど…菊仙…😭

あとごめん台無しですまんけどこれだけ言わせてほしい
中盤あたりでスターになった蝶衣を生で見れたことにより女性ファンたちが顔を覆って泣き出すシーンで「オタク、いつの世も変わらん!!!!!!!!!!」て笑いそうになった

「新時代」がいつの世もよきものであるとは限らない
旧体制により虐待じみた稽古をつけられてた蝶衣は、だけど新体制に殺されかけた
これはほんとにいついかなる時代でも観てほしい映画だ
正直不純な気持ちで観に行ったけど全部吹っ飛んだ、すさまじい政治文化映画
政治が文化に首突っ込んだらこうなるってお手本見た気分 極論だけど
でも政治による思想統制は文化を殺す

なんじゃこりゃまだ考えがまとまらない
蝶衣じゃなくて小豆と呼んだことの意味…大王の前で愛に殉じた意味…「姫」ではなく「弟」であった意味…
小豆の指切断シーン、去勢の暗喩なのかなあ

菊仙と蝶衣のライバル、母と子、同士、いろんな関係が綯い交ぜになって、どうしようもなく時代と男に翻弄された激動の人生を思うとどうしても「つらい」より「許せない」が先導する
人命と尊厳を軽んじることはけして許されるべきでないから
こんな気持ちになると思ってなかった…ただただ悲恋ものだと…
いろんな歴史学ぶべきやなやっぱ
学ばなければ生きていかれへんわ
あかんほんまに蝶衣の菊仙!て叫びがまだ鼓膜にこびりついてる
どんな気持ちで叫んだんやろう、恋敵やったはずの女の名前を…
もる

もる