らりるれろのり

ミッシングのらりるれろのりのレビュー・感想・評価

ミッシング(2024年製作の映画)
5.0
完成披露試写会にて。
ずっと鈍器で心を押さえつけられている感覚に陥る、そんな映画。
被害者の葛藤と一向に良くならない事件。
半ば盲目的に娘のために世間に訴える母の姿は私たち観客の目からすれば「悲劇の母」なのかもしれないが、そこに真相はない。メディアによる偏向報道は意図せず起き、被害者家族は世間の攻撃の的になる。
こんなふうにずっとずっと誰も救われない。
しかし、全てがバッドエンドというわけでもない。
私たちの中にある狂気が人を知らないところで攻撃しているのなら、私たちの中にある後ろめたい善意は私たちの知りえないところで誰かを救っている。
「見た後に少しでも優しくなってくれたら」
監督のこの言葉が今とても胸にささる。
らりるれろのり

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