Leonardo

ミッシングのLeonardoのレビュー・感想・評価

ミッシング(2024年製作の映画)
4.6
すごく心待ちにしてた吉田恵輔監督の最新作を、完成披露試写会で鑑賞できて嬉しい。

吉田監督は、壊れた世界に壊されていく人たちの切り取り方が本当に秀逸。

石原さとみのキャリアにおける新境地。「自分を壊してくれる監督に逆オファーした」と語っていたが、良い意味でこれまでの石原さとみを壊して作り直すような演技だった。

自分の辛さも押し殺しながら、妻のメンタルを気遣う青木崇高の表情もすごく切ない。

自分が中学生の頃からSNSが日常生活にどんどん浸透していった世代なので、インターネットやスマートフォンが無ければどんなに傷付かなくて済んだだろう、傷付けずに済んだだろうと何度も思ってきた。当事者への過度な憶測や誹謗中傷がどんどんエスカレートしていく、というネット社会の側面は、『空白』や『神は見返りを求める』とも通じる描き方を感じたが、今作はとりわけ、「なぜこんなにも攻撃されなきゃいけないのか」という境遇の人まで辛い思いをしていくのが、しんどい。

ラスト、こういった事件や報道、人生を絶対に消費しないという心意気を感じた。
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