このレビューはネタバレを含みます
大阪プレミアム試写会にて鑑賞。
確かに虎舞竜過ぎったけど。
こんなに感情むき出しでやさぐれたボロボロの石原さとみ見たことない。上映前のお話で｢命を削った｣って言葉もあったが、大袈裟じゃない。
事前のお話通り重たい内容ではあるが、ただ重たいだけではなく、ふとした瞬間に人間味のある微笑ましいコミュニケーションや小さな救いが挟み込まれ、その積み重ねが劇的な好転のないラストを暖かく、渦中に居続ける疲弊した夫婦の背中を力強く前へと後押しする。どんな不幸や悲劇にも笑いは起こる、それが日常。
キャラクターがみんな良くて、前述の石原さとみさんはもちろん、不器用でやることなすこと空回りする弟の圭吾を演じる森優作さんも人としての良心と報道の暗い部分の狭間でもがき苦しむ中村倫也もいい。が、やっぱりどこか冷めた態度の旦那を演じた青木崇高さんが良かった。冷静でいようと感情を殺している旦那が、たばこを吸いながら子供の声を聞いた時やいつものビラ配りに予想外の人物が訪ねてきた時などどうにも抑えられない感情が涙として溢れ出てしまう瞬間が、たまらなかった。
