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ミッシングのchinaのレビュー・感想・評価

ミッシング(2024年製作の映画)
3.7
静岡県沼津市で起きた幼女の失踪事件。あらゆる手を尽くすも、見つからないまま3ヶ月が過ぎていた。娘である美羽の帰りを待ち続けるも少しずつ世間の関心が薄れていくことに焦る母の沙織里は、夫の豊との温度差から、夫婦喧嘩が絶えない。唯一取材を続けてくれる地元テレビ局の記者の砂田を頼る日々だった。

とにかく最初から最後まで辛いの一言。
娘のことが心配で心配で毎日不安と焦りを抱えている母親と、それとは打って変わって冷静を保つ父。ホテルの食事中になんで冷静でいられるのと問い詰められる豊だったが、だからといって娘のことを心配していないわけが無い。その後の目にいっぱいの涙を貯めてこぼすのを我慢してタバコを吸う姿には心が締め付けられた。
それに、何度も沙織里の頭を撫でるシーンが印象的で彼の優しさが伝わってきた。これからも支えてやってくれ

いたずら電話により心を乱される沙織里のあのシーンはとても印象的だった。
邦画を避ける理由として役者さんがバラエティとかに出ている素の姿を知ってるからこそ、今回で言うと沙織里ではなく、石原さとみとして見てしまうことがあるから。
だが、本作は石原さとみではなく、完全に娘が行方不明で心を失った母親の沙織里だった。その演技に引き込まれた。

3年後同じ町で同様の誘拐事件が起きる…
こんなにも辛い日々の中でさえ誰かの幸せを泣いてまで喜べる姿に私も泣いた。本編の中でここが1番泣けた。
沙織里の「お気持ちはわかりますがってどのぐらい分かってるんですか」っていう言葉がものすごく印象的。超能力者じゃない限り他人の気持ちなんて分かるわけないんだよ。


正直ストーリーとしては盛り上がりに掛けていたが、この作品が伝えたいこと、表したいことは十分すぎるくらい伝わった。
辛くたって明日は来るし、光はさす。
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