行方不明になった愛娘を懸命に探し続ける母親の奔走を描く物語。
マスコミの偏向報道やSNS上での容赦のない誹謗中傷、拡散されるデマ等の現代社会への問題提起がなされ、不確かな情報に翻弄されながらも一筋の希望に縋る思いと救いのない現実が残酷であり、ラストの夫婦の表情と差し込む光が優しく温かい…
進展しない状況で時間だけが過ぎ、自責の念と焦燥感に駆られ、絶望感と無力感を抱える母と感情を押し殺し、冷静を装う夫との対照的な温度感が印象的で、時折溢れ出す夫の涙に胸を打たれる。
新境地とも言える石原さとみさんの憔悴しきった役柄に憑依した魂の役作りと体当たりの熱演に圧倒され、弟役の森優作さんが醸し出す雰囲気に惹きつけられた…
