マーシー

ミッシングのマーシーのレビュー・感想・評価

ミッシング(2024年製作の映画)
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スコアがすぐにはつけられないなー。良いか悪いかで言えばすごく良かった。
スターサンズ制作だからおいそれと太鼓判を押すのが憚られると言うか。映画時間の中ではセンセーショナルなことは何も起きてないし、事後の話。

あと石原さとみがときには背景にすらなっていて、映画の一部として機能していたのがかなり好感が持てた。


とにかく紗織里はネガティブケイパビリティがあって、あんな状況の中にいられる力があり、前に進める様子に、観客は少なからず勇気をもらえるし、映画の中でも実際にほんの少しかもしれないがポジティブな影響を与えている。

事件もそうだし、ネットの誹謗中傷についても加害者は一切出てこない。現実でもそうだと思う。だからこそ自分の中に力を見出さなきゃいけないし、関係する人同士で力を分け合う必要がある。同僚と自治会。


ドキュメンタリー映像におけるカメラと被写体の共犯関係についてのこともあった。


最後に、
吉田監督特有の反復の意地悪さが、今回はそういう場面もあるし、温かみのある場面もあって良かった。

あの車のパワーウィンドウ越し、オフィスのガラス扉越しの口パクとも聞こえないとも言えないシーン。

左車線。
マーシー

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