何となく気づいていたことに名前がついたらもう後戻りはできない。
映画における「女性の客体化」「男性のまなざし」を分類して構造を解体する。
つい先日観て感動していたヴェンダースの『パリ、テキサス』にもがっつり「男性のまなざし」が潜んでいる。観ている間はその世界に入り込んでしまうので、ここで言う「洗脳」は完成する。
とかく昔の名画は甘美な記憶になりがちだけど、巨匠だろうが忖度なく再チェックししようというスタンス。
壊れるなら作り直せばいい、というインタビューが印象的。
さらに、この映画を観るとニナ・メンケス作品の解像度が増す。分かりやすさから逃れて何を表現していたか。何と闘っていたか。