予告編では石原さとみさんの必死の形相のオンパレードだったので、こりゃあ覚悟して観ねばと思ってたのですが、個人的にはクスッと笑える部分もあったし予想していたよりは、しんどくなかったです。暗闇の中で光を見つけるような映画なのだろうな…。
異常なシチュエーションなのにもかかわらずドラマチックなストーリー展開はほとんどなく、それぞれの心情の振幅を丹念に描いているような映画で、特に果敢に新境地に挑戦しているような石原さんの姿は「なるほど~これが石原さとみ第ニ章か…」みたいな事ですよね?
個人的に一番好きなシーンでここがクライマックスかなと思うのは、姉弟で病院から戻る車中の場面。「笑うしかない」のにとっても切なく、何が変わったわけでもないけどちょっとだけ「良かったね」と思えるシーンでした。
あと印象に残ったのは二年後の事件で沙織里が「間違ってた」けど「良かった」って言ってそれに対して豊が「お前すごいよ」と返している点。自分だったら素直にそう思えるかなあと考えてしまいます。そう思えるならきっと沙織里は大丈夫なのでしょうね。
最後に多分本筋とは関係ないのでしょうが、突っ込まずにはいられなかった点。ボランティアの沙織里が自分の娘と同年代の子供に自分の呼び方を訂正するシーン。いや、それは無理でしょう。