ゴーディ

ミッシングのゴーディのレビュー・感想・評価

ミッシング(2024年製作の映画)
4.0
吉田恵輔監督・脚本最新作。

数年前に石原さとみが監督に直談判した事で実現した企画。
少しのバイオレンスと緊張と緩和を織り交ぜつつ露悪的な作品が多い吉田監督の特徴が表れすぎていた。
もう、、観ていてほんとしんどかった、、

吉田監督の作品は普通のありふれた日常が徐々に崩れていき地獄と化す様が印象的だけど今作は既に地獄と化してからが始まり。
何の情報もなくどこにいるのか生きているのかどうかも、何に縋っていいのかさえわからない。そんな実に厳しく辛い現実に打ちひしがれていく石原さとみ演じる母親。そしてどんどんヒステリックになっていく妻と対照的に感情を押し殺しながらも妻を支える父親。
この二人が一体どんな気持ちで毎日を生きているのだろう。そして今後も、、

奇跡的な出来事なんてそうそう起こらない。ただ辛く厳しい現実が目の前にあるだけ。それでも唯一の光に通ずるものが弟だと思う。取り返しのつかない現実から必死に目を背けようとしていた弟が自分を見つめ直し良き人間であろうともがく姿に希望ではないけれど光のようなものを感じる。

失ったものは失ったままだけど平凡な日常は二度と戻らないかもしれないけど悔やみもがき抗った先に何かがきっとあるはず。
そんな想いが大切な思い出に虹色の光として指すシーンは号泣ものだし吉田監督の優しさを感じれてとても良かった!

全員がベストアクトでした!
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