『空白』以来の吉田恵輔監督作品だったけれど、今回もリアリティを追求した心を抉られる作品だった。
事件の内容に関わらず、当事者家族へのSNSでの誹謗中傷は現実社会でもよく目にする。
誰しもが同じ立場となる可能性があるのに、言葉の暴力は止むことがない。
それらに何度も振り回され、抱いた小さな希望も踏みつけられる沙織里と豊の夫婦の姿は観ていて本当につらかった。
夫の豊役の青木崇高さんの演技が素晴らしい。
言葉や態度に出さずともふとした表情で豊の思いが伝わってきた。
沙織里役の石原さとみさんの熱演も良かったけれど、なんだかんだ可愛くて綺麗で心に刺さるところまでは感じられなかった。
051 / 2024年
