misuzuさんの映画レビュー・感想・評価

misuzu

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ノベンバー(2017年製作の映画)

3.7

印象的なポスターに惹かれ鑑賞。
ダークファンタジーやホラー的な要素もありつつ、観てみればクラシカルな恋愛ものだった。
モノクロの映像も美しい。

メイクアップ・アーティスト:ケヴィン・オークイン・ストーリー/ケヴィン・オークイン:美の哲学(2017年製作の映画)

3.7

メイクの世界で革命を起こしたケヴィン・オークイン。
次々と夢を叶え順風満帆に人生を送っていたけれど、後に末端肥大症が原因とわかる身体の痛みをきっかけに晩年はオピオイド依存に苦しむことになる。
依存によ
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ベイビーガール(2024年製作の映画)

3.5

前情報をほぼ入れずに観たので、OPのクレジットでA24の作品と知った。
一昔前なら当たり前に男性が主役であった物語を、男女逆転にしているところに2025年らしさを感じる。
それでもロミーの夫のセリフか
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ミッキー17(2024年製作の映画)

3.7

事前に評価低めのレビューをいくつか目にしていたので期待せずに鑑賞したけれど、ブラックユーモアもたっぷりで私は楽しめた。
アメリカ史をなぞったような風刺を盛り込んだ物語に、格差社会や独裁政権、労働力の搾
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エミリア・ペレス(2024年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

ミュージカル映画でもあるけれど、思ったよりもエンタメ感がなく社会派作品としての印象が強かった。
正直ストーリーは期待したほどではなかったけれど、エミリアの確固とした生き様には惹かれるものがあった。
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FEMME フェム(2023年製作の映画)

4.0

上映館が多くなくあまり話題になっていないけれど、ものすごく良かった!
最近、幅広い意味でジェンダーをテーマにした作品に接することが多く、こちらの映画もその中のひとつ。
ジャンルとしてはスリラーなのでハ
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その花は夜に咲く(2025年製作の映画)

3.7

アジアの湿度の高さが伝わってくるような映像がとても好みで良かった。
序盤はナムのサンへの想いの強さを感じたけれど、ラストはサンの美しくも切ない一途な愛に胸を抉られた。

032 / 2025年

キリング・オブ・ケネス・チェンバレン(2020年製作の映画)

4.0

黒人男性のケネス・チェンバレンが、理由なく白人警官に殺害された実際の事件を元にした映画。
舞台はケネスが暮らす狭いアパートの部屋とその入口から動かない。
そのワンシチュエーションの状況がケネスの恐怖を
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悪い夏(2025年製作の映画)

4.0

佐々木の心が崩壊するのが終盤のため、想像したよりはドロドロ感が少なめだった。
その分、ラストは手のつけようがないほどのド修羅場で逆にハラハラよりも笑いが込み上げてきてしまった。
ラストはやや綺麗にまと
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教皇選挙(2024年製作の映画)

4.5

アカデミー賞で1冠ということが信じられない。
エンタメ作品としても社会派作品としても「完璧」以外の言葉が出てこないほどの良作。
この映画のおもしろさや優れている部分に触れることがネタバレになるので何も
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エレクトリック・ステイト(2025年製作の映画)

3.5

既視感のある物語だけれど、ロボット達の個性や見た目のバリエーションの豊かさと心温まる物語で見応えはあった。
それでも子供向けの印象で物足りなさの方が勝った気がする。

Flow(2024年製作の映画)

4.0

2025年のアカデミー賞長編アニメ映画賞受賞作。
大洪水により人類が滅びた世界。
そこで生きる動物達の姿を描いたアニメーション。
セリフがないこともあり前半はヒーリングビデオのような印象だっけれど、後
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ウィキッド ふたりの魔女(2024年製作の映画)

4.0

ミュージカル『ウィキッド』は観たことがないけれど、とても楽しみにしていた映画。
物語のわかりやすさと映像の美しさ、主演の2人の歌声も鳥肌が立つほど素晴らしく160分があっという間だった。
特に映像美に
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知らないカノジョ(2025年製作の映画)

1.7

このレビューはネタバレを含みます

仏映画『ラブ・セカンド・サイト はじまりは初恋のおわりから』のリメイク作品。
milet目当てで観たけれど、初演技ながらミナミのチャーミングさが自然に表現できていたし歌唱シーンは文句なく素晴らしかった
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TATAMI(2023年製作の映画)

4.0

実際のエピソードから着想を得ており、スポーツものではなく社会派に位置づけたい作品。
スポーツに政治が立ち入ることの恐ろしさが103分にギュッと詰め込まれている。
ポスターにも書かれている「ただ、勝ちた
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名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN(2024年製作の映画)

4.2

ボブ・ディランは代表曲として挙げられる、いわゆる有名どころの曲を知っている程度だけれど、そんな私でも「本人!」と思うほどティモシー・シャラメはディランそのものだった。
音楽に保守的なものを求められるこ
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ANORA アノーラ(2024年製作の映画)

3.7

アカデミー賞5部門受賞。
しかし、良作と思うものの脚本賞の受賞は意外な気がした。
言葉のどつき合い映画で何度となく声を出して笑ってしまったけれど、特に前半は冗長で盛り上がりに欠けているように感じた。
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ノー・アザー・ランド 故郷は他にない(2024年製作の映画)

4.2

イスラエルのガザへの侵攻の状況は、遠く離れた日本でも日々ニュースを通して伝えられている。
ホロコーストを経験したユダヤ人が今度は自分達が加害者となっている不条理さは全く理解することができないし、世界中
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ブルータリスト(2024年製作の映画)

4.0

映画だからこそできるを存分に堪能できる映画。
他の方もレビューされているけれど、まるで実話かと思うような作り込みがすごい。
懐が深いフリをしているだけで実は排他的なアメリカの在り方だったり、リアリティ
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僕と彼女のファースト・ハグ(2020年製作の映画)

3.7

世界観が可愛くほっこりするラブコメ。
ツッコミどころはファンタジーとして捉えるのが正解。
極度の潔癖症で人との関わりが持てないバオ・バオ。
初めは文字通り色のないモノクロの世界に生きていた彼が、ウェン
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セプテンバー5(2024年製作の映画)

3.7

1972年のミュンヘンオリンピック。
平和の祭典の最中に起きたテロ事件を生中継した放送クルーの視点から描いた作品。
実話ということもあり非常に見応えがあった。
ドイツで開催されイスラエルが参加するとい
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聖なるイチジクの種(2024年製作の映画)

4.2

期待以上の良作。
大袈裟でなく監督やキャスト、スタッフは命懸けでこの映画を作っており熱量の高さが作品の随所に伺えた。
前半はイランの社会的な事件や問題などの現状が描かれており、日本とは文化や風習が全く
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ロックフィールド 伝説の音楽スタジオ(2020年製作の映画)

4.0

ウェールズにある世界初の滞在型音楽スタジオであるロックフィールド。
設立者であるチャールズとキングズリーの兄弟をはじめ、スタジオを愛し数々の名曲や名盤を作り上げてきたミュージシャン達のインタビューを収
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愛を耕すひと(2023年製作の映画)

3.7

心温まる穏やかな物語を想像していた自分が甘かった。
厳しい自然との闘いとそれ以上に人間の残酷さが余すところなく描かれており、かつ実話とあって観ていてつらくなる場面が多かった。
アンマイ・ムスが幸せにな
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野生の島のロズ(2024年製作の映画)

4.0

愛すること、助け合うこと、認め合うこと。
生きる上で大切にするべきことを真っ直ぐに描いた王道の物語だからこそ心に響く。
動物達の生き生きとしたリアルな姿や、まるで実写のような美しい自然の風景は目を見張
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ザ・レディ・イン・オーケストラ: NYフィルを変えた風(2023年製作の映画)

3.7

今年のアカデミー短編ドキュメンタリー賞ノミネート作品。
ニューヨーク・フィルハーモニック初の女性団員となったオリン・オブライエン。
55年間所属し87才で退団した彼女の功績を描いている。
両親がハリウ
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名前のノート(2023年製作の映画)

3.7

『ハイパーボリア人』と併映の短編映画。
チリのピノチェト政権下で誘拐などにより行方不明となった若者達の名前が次々と読み上げられていく。
シンプルだからこそ作品に込められたメッセージが強く心に響いた。
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ハイパーボリア人(2024年製作の映画)

4.0

ナチスを信奉していた外交官でもあったミゲル・セラーノとピノチェト政権下の政治家の1人であったハイメ・グスマンを登場させ、チリの現代史の暗部を独特な手法で描いた作品。
前作の『オオカミの家』のストップモ
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武道実務官(2024年製作の映画)

3.7

劇中で扱う犯罪が子供への性犯罪なので観ていてキツい場面もあるけれど、ジョンドや彼の周りにいる人達がみんな正義感に厚く勧善懲悪ものなので最後はすっきりとした気持ちになる。
キム・ウビンがとにかく魅力的で
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ミス・シャンプー(2023年製作の映画)

3.7

一昔前の少年漫画のようなラブコメ。
マフィアの親分であるタイは、敵に追われる自分を助けてくれた美容師見習いのフェンに一目惚れする。
下ネタも多めだけれど、タイの一途な恋心とそれを応援するタイの子分達の
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ザ・ルーム・ネクスト・ドア(2024年製作の映画)

4.0

ほぼジュリアン・ムーアとティルダ・スウィントンの2人による会話劇。
2人の演技が素晴らしく飽きることがない。
生と死という重いテーマながら軽やかさがあり、考え過ぎずに観ることができた。
ペドロ・アルモ
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ドリーミン・ワイルド 名もなき家族のうた(2022年製作の映画)

4.0

実話ゆえ派手さはないけれど、家族愛に満ちた心温まる作品。
ドニーの才能を信じ全力で応援する父と兄の姿に感動した。
劇中でドニーが実際に作った楽曲が流れるけれど、自分の好みにも合っていたこともあり鑑賞後
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blur:Live At Wembley Stadium/ブラー:ライヴ・アット・ウェンブリー・スタジアム(2024年製作の映画)

4.2

あなたはblur派?それともoasis派?
どちらであっても楽しめる最高のライブフィルム(ちなみに私はoasis派)
全力でプレイするバンドに応えるように、笑顔を見せ時に感動の涙を流す観客達。
その姿
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リアル・ペイン〜心の旅〜(2024年製作の映画)

4.0

ユダヤ人のデイヴは亡くなった祖母の遺言により、兄弟のように育ちながらも今は疎遠となった従兄弟のベンジーとともに祖母の祖国であるポーランドを巡るツアーに参加する。
旅を通してデイヴとベンジーはそれぞれが
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スカイウォーカーズ: ある愛の物語(2024年製作の映画)

3.7

超高層建築に不法に侵入し頂上でセルフィーを撮影するルーフトッパー。
カップルで活動するヴァーニャとアンジェラに密着したドキュメンタリー。
無謀ともいえる挑戦を続け人気インフルエンサーとなった2人だけれ
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満ち足りた家族(2024年製作の映画)

4.0

利益優先の弁護士の兄と道徳的な医者の弟。
傍から見れば裕福で完璧なふたつの家族がある事件をきっかけに崩壊していく。
事件を境に兄弟の倫理観が逆転していくけれど、キャストの熱演もありリアリティを感じられ
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