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ミッシングのKOZOのレビュー・感想・評価

ミッシング(2024年製作の映画)
4.2
『ヒメアノ〜ル』以降全ての作品を観ている吉田監督、あの石原さとみが!のインパクトも含めてまたどれだけ心が抉られるのかと期待して鑑賞。

うーむ…悪くはないのだけど、これまでの監督の作品と比べるとええっ!?という展開はあまりなく。
比較されるのは『空白』かな?あちらはとんでもないオープニングだったからなあ。
メディアやSNSの“悪意”も『空白』や『神は見返りを求める』でずっしり抉られたからそれほどのインパクトはなかった。

石原さとみの監督に出演を直談判して一度断られたというエピソードは好き。その気合いの入った演技は納得。ここまでやるか!なシーンもあり。これから役者としてどういう展開になっていくのか楽しみ。
感情を露わにする石原さとみを冷静に支えようとする青木崇高に共感。妻と同じく自分も怒り、叫びたいだろうに。
この弟役、誰だっけ?と思ってたら森優作!『野火』がデビュー作だったかな?あれもキツい役だったけど、今作もなかなか。いい役者やね。
ローカルテレビ局の記者としての使命感、正義感と視聴率という数字に板挟みになる中村倫也、あえて感情を表に出さない役柄なんだろうけど、もう少し葛藤が見えた方が良かったような。

吉田監督だから万人が感動した!みたいなストーリーにしないのはわかってたから安心。ただ過去作みたいに捻ってこなかったのは個人的にはちょっと肩透かし。『空白』の寺島しのぶや『神は見返りを求める』の若葉竜也みたいな濃厚な?脇役もいなかったし…
(エンドロールで見た柳ユーレイってどの役か全くわからず…と思って、調べたらビックリ)
今作ではその分リアリティにこだわったのかも。吉田監督らしいなあと思ったラストにじんわり、そして納得。
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