uchi

ミッシングのuchiのレビュー・感想・評価

ミッシング(2024年製作の映画)
3.9
 かなり、リアルに現実を捉えている作品だと思います。
 同監督の「空白」を見終えた時と似た印象でしたが、石原さとみの体を張った演技が素晴らしすぎて0.1点加点しました。

 アイドルのライブに行った日に娘が失踪してしまう。

 日常が非日常に変わる瞬間…。
非常に悲しく、本来あってはいけない事ですが、実は誰にでも可能性はある。
 
 さすがに、失踪、誘拐の類の被害にあったことはありませんが、仕事での出来事も含め
昨日が今日でない瞬間、不安と緊張の日々を送る経験は何度かしています。
 都度、全力で対応して今がありますが、
経験を踏まえて、本作の問題定義に思う事は、みな想定の範囲で、正直怒りは覚えますが、逆に「そんなもの」と俯瞰で見る自分がいる事です。

 SNSにおいて、人が深く弱り果てているのが想像できるのに、何故、誹謗中傷ができるのか?
 私は「普通」はそのような書き込みはしないと思いますが、「普通でなくてよい」と言う考え方が半ば容認され、ガイドラインなき「多様性」と言うワードが1人歩きし隠れ蓑のようになってしまっているのも原因のひとつと考えます。
 理屈なしに何割かの人にそういう人種がいるのが現実だと思うしかないと思っています。SNSは利便性と裏腹に、そのマイナス要素も前提として想定しておくべきと思います。

 メディアの対応についても同様のことが言えます。事件自体は非常に悲しい事件ではありますが、営利目的の企業において、いつまでも進展のない事件を継続して報道し続ける事はできないと思います。これも想定の範囲です。地方局というのが本作のポイントで、だからこそあそこまで長く関与できたんではないでしょうか?

 私は人の出会いが大事であり、できるだけ深く付き合いたいタイプです。
 実際、良い付き合いをしてるんではないかなと自負するところもあります。
 過去の経験において、友人知人が困った際は最後まで付き合いました。それがまたその後の良い付き合いにつながっています。

 ただし、顔も知らない他人がその財産と時間をかけて、どれだけ私が困ったときに助けてくれるか、それは当然自信はありません。むしろそれが普通だと思います。

 他人は他人、とっても冷たい感じがしますが、現実的にはそれが普通なんだと思います。それ以上、他人に何を望むのか?
期待が大きいほど落胆も大きくなると思います。

 本作の石原さとみは母として、相当頑張っていたと思います。結果がでず疲弊していく姿は見ていて辛かったです。

 私は本作を奥さんと鑑賞しましたが、2人で話したことを…。

 まずは、こう言う時は強くなる事。
悲しいのは当たり前、悲しい感情に塞いでいても何も進展しない。SNSはじめ他者の中傷や無関心にいちいち反応しない。それは半ば当たり前と思う。怒っていても事態は進展しない…。
 家族は一番小さく、そして一番大きいコミュニティ。絶対取り返すと言う強い意志のもと何ができるかを考える。
 感情に右往左往している時間は無い。
発想と行動が伴えば、誹謗中傷する人以外の多くの人の中で、必ず力になってくれる人がいる。これは信じたい。
 そして2人の間では、言葉にも配慮し、つまらないケンカをしない事。
 あと、日常のリスクヘッジについてもコンコンと話しました。車の運転、事故とかの可能性なんかも含めて…。

 弟くん、微妙な役柄でしたが、
内面的に実は優しかったりしても、社会的な最低限の信用と他者に対する印象は生きて行くにあたり、やはり大事だと改めて思いました。
 

ps とは言え!やはり、顔や素性が分からないからと、イタズラな誹謗中傷には腹が立ちます。また、日常的にはSNSでの異常な人気とり!いずれも、自分が理想とする自分像を求めるんですかね?
 実際会ったりすると、明るい文面とは程遠い印象。絵文字たっぷりの文面がイタい。
嘘ばかりで、辻褄合わなくなり、強きを遠ざけ弱きを攻撃する…。始末悪いです。
そして、今日もせっせと人気とり…。
そりや、騙されますよね。
まぁ、自分に害はないんですが、いろいろ話し伺うと、SNSに「しょうがない」と思いながらもストレス感じる今日この頃でした。
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