このレビューはネタバレを含みます
胸糞ではなかった。ただどうしようもない逃げ道のない悲劇だった。これがリアルなんじゃないかと圧倒される迫力。この生々しさは監督の人生のどの部分から引き出せるものなんだろう。
石原さとみと森優作(弟役)の演技で自分の感情まで巻き込まれてしまった。というかこの映画に出てる俳優さん全員すごい。
そして、特に報道に関わっている/関わったことのある人間には見て欲しい。
何のためにマスメディアが存在しているのか考えなければいけない。砂田は人間として譲れない良心がある一方で、スクープで評価される後輩には複雑な表情を浮かべていた。その後輩からは砂田を見下した発言もある。もちろんスクープも大事で、そこが評価される組織の構造だ。だが、人間として取材先と対峙することを忘れてはならない。私は苦しみながらも葛藤をやめない砂田の方が魅力的に見えた。
五里霧中を彷徨い叫び続ける登場人物たちに感情を掻き乱されて本当にエネルギーを消費した。。。この監督が描く人の飾らない感情はなんでこんなにクセになるんだ。
