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ミッシングのechoのレビュー・感想・評価

ミッシング(2024年製作の映画)
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若い頃はグロいのも残酷なのも
全然平気で、
むしろ好んで観ていたのに
こどもを産んでからは
観られなくなっていた。

特に児童虐待ものとか
子ども関連のものは、
観ちゃうと
しばらく鬱になるから。。。

でもこの映画は
子ども絡みなのは
分かっていたけど、
気持ちが落ちる可能性もあるけど、
予告の役者さんたちの演技を見て、
観なければ、とおもった。


例えば。
この事件が
解決したとしても
戻ってきたとしても、
大きく深い傷が消えることはない。

ごめんね、という気持ちや
一緒にいなかった自分を責めることは
終わらない。

世の中で今もどこかで起きている
事故や殺人事件や誘拐は、
始まってしまえば
終わりはない。

この映画で答えが描かれていないのは
そういうことなのかな、と思った。

家族にとって、
大切な人にとって、
終わりはない。

延々と続く辛さの中で
気が触れそうになりながら
1日1日を傷だらけになりながら
生きるしかない。

一緒に観た相手に、
「私も同じ状況になったら
あれくらい壊れると思った。」と
伝えようとすると、
石原さとみさんの演技を思い出して
涙がどんどんと込み上げて、
言えなかった。何度も。

もちろん青木崇高さんや
弟さんの役の方や、
登場人物の方すべての
表情、声、目、姿勢、
なにもかもがすごかった。

どれだけ辛くても
意図的にも無意識にも
傷つけてくる人ははびこっていて、
どうか、1人でも多く
こんな気持ちになっている人が
救われますようにと、
心から願った。

「お気持ちはわかりますが、」
なんて、軽はずみに言ってはいけない。

ハンカチ、びちょびちょ、
帰りのエレベーターの中でも
マスクの中びちょびちょ、

でも、同じ時間に
この映画を観ても
あっけらかんとしている人を観て、
わたしはわたしでよかったと
おもえた。

演じてくれて、
作ってくれて、
ありがとうございますと伝えたいです。
echo

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