けもっち

ミッシングのけもっちのネタバレレビュー・内容・結末

ミッシング(2024年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

これはつらい…。こんなの美羽ちゃんが戻ってくる以外救われる方法ないやん。

主要人物の気持ちがひしひしと伝わってきた。感情的になって周りに当たり散らしながらも藁をも掴む思いで必死に娘を探そうとする沙織里。見なきゃいいのにSNSの書き込みまで見てしまってこんなのとても普通の精神じゃいられないと思う。

そんな沙織里から見て豊に温度差感じてしまうというのもわかる。男と女って構造的にやっぱり違う。女性は感情的になってしまいがちだけど、男性は今ある事実だけを見て冷静に考えられる生き物なんだと思う。皆が皆そうってわけじゃないけど。豊だってつらい思いを抱えてる。

弟は無責任に感じて姪への愛情も薄くない?と思ったけど不器用なだけだったのか。

善意のつもりで占い師すすめる人とか、申し訳なさそうに接するしかないママ友、誹謗中傷…どれもこれもありそうでリアル。ビラも読まずにあれこれ質問してくるおばはんにはムカついた。でも一番ムカついたのはあのイタズラ電話。あんなことする奴鬼畜やろ。

報道も何が正しいのかわからないね。事実のみを報道する、そんな大事なことができてない中で砂田みたいに真摯に向き合う報道人が大勢いてくれたらいいけど。でも砂田も違法カジノのことで上司からそのまま返されてたしね。観てくれる人がいないと事件解決に繋がる情報も得られないのはわかるけど、その報道で傷つく人はいるんだよね。

世の中では風化していっても沙織里たちの苦しみはずっと続く。そんな中で誘拐された子が見つかって涙流して喜んだり、見守り隊に参加する沙織里はすごいと思う。この後、美羽ちゃんが戻ってくるという未来があるといいな。

話には聞いてたけど石原さとみの演技がすごかった。特に演技がうまいというイメージはなかったんだけど、沙織里という役に説得力を持たせてくれたので感情移入して観ることができた。
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