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Dr. Balaのakiakaneのレビュー・感想・評価

Dr. Bala(2023年製作の映画)
3.7
初日舞台挨拶にて。(舞台挨拶時の登壇者が4人とも仲良く話を振り合っていて好印象だった)
Dr.Bala(Bala:力持ち)と呼ばれる大村和弘医師の東南アジアでの医療ボランティア活動の12年を追った本作。

感動的な場面での劇伴がかなり過剰な為、映画というより『プロジェクトX』や『プロフェッショナル 仕事の流儀』のような印象。その割にナレーションや字幕による補足がない為、各年の出来事が単発で起きているように見え、活動や人間関係の繋がり、大村医師がその時何を考えていたかなどがやや分かりづらい。
(各国の経済状況や歴史、ある年はカンボジア、ある年はミャンマー、ある年はラオス…と赴任地がどう決まるかなど前提条件を簡単で良いから説明しておくと良いかと)

《余談》
★予想通りだが医者の、特に日本での集合写真は9割超が男性。海外の方が女性比率が高い(全体の3〜5割くらい)
★手術室にて「カメラ入ってるけど化粧倍にした?」女性スタッフ含め周り笑ってるけどそれセクハラ
★ボランティアの長時間労働で設備もない覚悟がなければできない状況は、そんな環境でも携わっている当事者は全く悪くないしむしろ敬服する他ない。しかし当事者がそれを言ってしまうのは、見ている人に「結局個人の努力なのか」「凄い人しかできないな」「頑張ってください!(何もしない)」という考えを強調しないだろうかという懸念がある。
★病院で泊まり込みの14時間超の手術、海外活動、飲み会、それらの「やりたいこと」ができるのは、カメラに映らない妻が日常の家をやっているから。手際よく作る手の込んだ弁当は「たまに」だからできること。
そもそもこのような活動ができる女性自体が皆無だろうが、同じ活動をする女性がいたら「母親なのに」「旦那は偉い」「子どもがかわいそう」と言われ同じ印象を持たれないんだろうなと。なお、これは中村哲医師の活動を描いたドキュメンタリー映画『荒野に希望の灯をともす』でも同じことを思った。
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