ガルベス

ジュリア(s)のガルベスのネタバレレビュー・内容・結末

ジュリア(s)(2022年製作の映画)
4.4

このレビューはネタバレを含みます

音楽的資質のある主人公が同じではあるのだが、高校時代に下したある決断からマルチバース的に世界線が分岐。

開放的な人生を歩む世界線or保守的な人生を歩まざるを得ない世界線。
運命の相手との出会いからコンクールに勝ち抜き順風満帆な道を辿る世界線orその出会いがスルーしてコンクールにも落ちる世界線etc…。

同じ一人の人間であるにも関わらず、ちょっとしたタイミングで大きく運命が分かれていく様に終始、刮目。

表面上の象徴的な幸福が、あんまり幸福なことだと思えない体質なので「人間万事塞翁が馬」、「禍福は糾える縄の如し」を体現している本作がたまらなく好み。

どのように人生が転んだって勝ちとか負けだなんてないし、その全てにロクでもなさと同時に価値もある。
ほろ苦さがありながらも根底に人生讃歌を携えた大傑作。
ガルベス

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