ルウ・ドゥ・ラージュ (34) が素晴らしい。人生の様々な曲がり角でどの選択をしたらどうなっていたか、80になった彼女が振り返るという映画。それぞれのシナリオが、はっきりした章立てもなく繋がっているので、勝手がわかるまで少し疲れたから、2度目位がちょうど面白くなるタイプの映画なのかもしれない。
ラファエル・ペルソナス、ちょっとティミーに感じが似ててチャーミングな男性だし、科学者で金融市場の商品を考案したりする職なら、こういう言い方は良くないとは思うけど、いわゆる「勝組」のような気がする。でもこういう男性と結婚してジュリアは幸せになるのか、みてごらん。
適齢期の女性(だけ?)が突き付けられる選択肢の厳しさ、これを観た一部の想像力が欠如している男性が妻や彼女に感謝する展開になればこの映画の存在価値は高いのでは。特に、結婚か、キャリアか、子供か、に加えて、彼女の場合は一日休んだだけで大きな差が出来てしまう才能を捨てるという大きな決断を迫られるので。
嫌味なまとめ方をすれば、選ぶ男性によって人生はこうも変わる、ということなんだろうけど、それ以前に自分の人生のミッションに気がつければ、選択肢は明確になる。幸せの尺度は人それぞれ。パートナーが幸せをもたらしてくれることを期待するのか、一緒にいて幸せを作り出せる相手を選ぶのか、幸せを双方向でバランスよく作り出せる組み合わせは、客観的な物差しでは量れないということを実感する作品でもあります。ジュリアが幸せを感じられた関係ははたしてどれでしょう。