柏エシディシ

ネクスト・ゴール・ウィンズの柏エシディシのレビュー・感想・評価

2.0
東京国際映画祭2023にて。
タイカ・ワイティティのネアカな作風は基本好きなんだけれど、時折やり過ぎというか、危うさを感じる所はあって、自分も好きな「ジョジョラビット」も子供の視点という仕掛けが無ければ、不謹慎極まりない作品だよな、と自覚する部分もあるし、その軽快さが、作品自体を軽くしてしまう事もある様に思う。
本作に関しては原題同タイトルのドキュメンタリー「ネクストゴール!世界最弱のサッカー代表チーム 0対31から挑戦」からして傑作なので、劇映画として、どう面白くするかがキモな訳ですが…うーん。
「事実は小説よりも奇なり」と言ったモンですが、創作が現実を越える事は出来ないというか、魅力的なエピソードやエッセンスがワイティティの演出で軽くなってしまって、明らかに目減りしてしまっているのが辛い。
本作で面白い要素(ロンゲン監督の為人、トランスのサッカー選手、サッカー未開地の牧歌性)は素材に元々あったもので、ワイティティが調理した事による旨みはほとんど感じられず。
それどころかワイティティの軽さがドラマそのものの"作りもの感"が皮肉にも増してしまっていているのが残念。
このお話、ワイティティの完全なオリジナルって事なら「そんな訳ないけど、面白い話考えるな!」ぐらいに楽しんだかもしれない。
あと、主演にマイケル・ファスベンダーっていうのが悪手だったと思う。
大好きな役者だけどコメディには向いていない。だって本気で顔が怖すぎるモンw
柏エシディシ

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