プレコップ

ネクスト・ゴール・ウィンズのプレコップのレビュー・感想・評価

3.6
素晴らしき"逆スポ根"映画

どこの国にもある「弱くても勝てます」型の下剋上映画。しかし、そういうタイプの映画が通常なら、めちゃくちゃ理論を突き詰めるか、規格外に強い精神論で押し込めるかのどちらかになりがちなところ、今作はどちらでもないゆるゆるマインドでアゲていくのが良い。サッカーで人殺しまで起こしちゃうどこかの国の人々に、「ボールは友だち、怖くないよ」ってちゃんと伝えてくれる。

実話であるとはいえ、こういう内容のストーリーはかなりこすられてベタなものであるからこそ、開き直って1試合で何話も費やしちゃうような「キャプ翼」的過剰演出がかえってギャグとして笑えた。タイカ・ワイティティにしてはアクは少ないが、ド直球に王道を行くというコメディとして見るなら、きっちり成立している。

なにより、アメリカ領サモアの文化と風土をしっかり伝えてくれる役割を果たしてくれており、とてもこの楽園に行ってみたくなる。あと、サモアの人々の31-0のトラウマ、阪神の33-4に似てる。
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