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ナショナル・シアター・ライブ「善き人」のmiのレビュー・感想・評価

4.7
淡々と、じわじわと、自分と自分の愛する者とそれ以外を隔てていくジョンの口から出る〝Good〟
進むにつれ頻度の増すそれの意味が悍ましさを内包していく
最後にバンドがリアルだと気付いたのはその場所がジョンのリアルになったからか、それとも背け続けていた事実から遂に目を逸らせなくなったからか

息をつく暇もない第二幕、圧倒だった。
演技力で酔い潰れるかと思った。

題材的に気が重くなるのはわかってた。わかってたんだけど、予想以上すぎた。
自分が恵まれてると思えて、今が幸せだと思うのなら、せめて手が届く範囲だけでも同じように幸せになって欲しいと、そう努められる人間で私はありたい。

立ち方、座り方、手の位置、そういった動作の全てからジョンという人間の説得力が溢れてるんだが極めつけの瞳がもうテナントさんほんっっっとやばかった。
共演の2人も、一瞬で役変わるの凄かったというか、何から何まで変わってないのに別人っていう、今貴重なものを見てる!っていう興奮で震えたわ
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