配役をエサに肉体関係を迫られた若手俳優が、冤罪を逆手に取ってのし上がったのだが…な20世紀初頭のフランスを舞台にした皮肉たっぷりの痛快コメディ…私的に。
フランスのコメディってハリウッドと比べてギャグというかセリフがシュールというかシニカルで面白い。
今の言説なら完全アウトなジェンダー発言も当時の見識としてガンガン使ってて面白い。
司法とか警察の緩さとかもなく時代感を逆手に取って笑いにしちゃってるし、なんだか落語の『粗忽長屋』的な結果と目的がまぜこぜのドタバタ物語が進んでいく様はとっても面白かった。
激動の20世紀前半を下品にも上品にもなり過ぎずにオシャレに描いていた印象。
最近の映画との対比的にも感じる昔ながらの表現や映像世界で、良くも悪くも遊びもいい加減さもなくなった現代に対して、なんとなく皮肉というか問いかけもあったように感じてしまった。
そして弁護士ポーリーヌことレベッカ・マルデールが可愛いこと。
ツレにどうせ好きだろうと思って観てたと言われて失笑。