鴨の家族が冬を過ごすためにジャマイカへ渡るだけで、それ以上でも以下でもない。ただ、その“旅感”だけで映画を成立させてしまうのは、さすがイルミネーションスタジオ。
なにも余計なことをしていなくて、安心して子どもに見せられる映画になっているのは良くも悪くもといった感じ。
なぜ主人公の家族は冒険をしたいのか、もしくはなぜ主人公はそこまで安全な沼での生活を望むのか。その辺をもう少しだけ丁寧に描いてほしかった。
“渡り”を決意するのもおじさんと同じになるのが嫌でっていうのは良いんだけど、そこを後の展開とリンクしてくれないと、全体的に薄い印象で終わってしまうのではないか。
アニメーション自体はすごく良くて、適度なホラー要素なんかもあったりして子ども向けのエンタメ映画としては抜群の質だと思う。
映画全体のバランスをどうやってとるかって難しいよね。