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FLY!/フライ!のmatchypotterのレビュー・感想・評価

FLY!/フライ!(2023年製作の映画)
3.9
久しぶりのILLUMINATION。
近々、『怪盗グルー』の続編最新作が公開。本作はそれとは別の渡り鳥、マガモの家族の旅の物語。

堺雅人と麻生久美子、良いね。
この夫婦の掛け合いというか、雰囲気がとても良い。すごく伝わってきた。

冬は南へ移動する渡り鳥。
しかし、この一家は、父親が保守的で臆病でリスクを避ける生き方をしてきたので、一度も“渡った”ことがない。

しかし、子供も成長し、母親も外に出てみたい意志があり、それを抑圧するのも限界になり、もろもろの説得と“渡らずに生き続けた成れの果て”を目の当たりにしたことで、とうとう父親が決断し、家族で南に“渡る”ことを決意。

その、一家の初めての空の旅、大冒険を描く作品。

今までの小さな池での生活の外に出ることが初めてなので、出くわすモノや場所すべてが新鮮で、、、不安。

父親は不安しかなく、母親は好奇しかなく、子供達は無邪気しかない。
そんな中での出会いや、遭遇する苦難、危険を通して家族の絆を深めながら、家族や人生を豊かにしていく。

危険を冒さず慎ましく生きていくことも大事である一方で、まだ見ぬ冒険や新天地への憧れなど新たな挑戦をしていくことも大事。

最初は不安しかなく、諦めガチの父親カモも、旅が進むにつれてこの挑戦の大切さを感じ始めたり、何より諦めず、父親としてのリーダーシップも発揮していく様子に勇気が湧く。

妻や子供達との言い合いや摩擦、コミュニケーションもこの旅によって顕在化し、乗り越えられる。

旅にしろ、家族にしろ、乗り越えれば、その先に未だかつてなかった強く豊かなモノが生まれる。

お手本のような王道の話。
聞いてた話と実体験は違う。危険と聞かされてた天敵も、出会ってみたら案外違う。
最初は無理だと思っていたことも直面してやるしかないとなればやれてしまったり。

冒険で何を得るかはわからない。希望通りに成功するかもわからない。
だけども、飛び出してみないことには何も得られず、失敗もないが成功もない。

新しいことに挑戦してみることの大切さと、大変さと、素晴らしさをわかりやすく伝えてくれる万国共通のわかりやすい物語。

あのシェフ、ろくにセリフもないのにわかりやすくて良い。こういう役作りはミニオンで培ったILLUMINATIONの“十八番”。

ILLUMINATIONはもともと普通以下というか、ろくでもないキャラクターが成長したり、挑戦したり、結果的に諦めていたモノを諦めずに乗り越えてどさくさ紛れて手に入れるような展開が本当にうまい。

※24年3月、映画オススメブログ、始めました。
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『matchypotterと映画の秘宝』
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作品単発のレビューはここでやっているので、こちらは企画記事メインに挑戦したいと思います。
皆さん、時間がある時にでも見に来てください。
(まだ始めたばかりでお粗末が過ぎるブログですが)
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