うらぬす

抱擁のかけらのうらぬすのレビュー・感想・評価

抱擁のかけら(2009年製作の映画)
4.1
メロドラマを完全な芸術に昇華させるのが得意な監督として自分の中でインプットされているペドロ・アルモドバル、いくつか観たけど今のところこれがいちばん好みかも。
ペネロペ・クルスの凛としつつもファムファタール的な魅力を備えた美貌。エルネストに対する決別宣言がリアルと撮影された映像で重なる演出とか、最期のキスをひとコマずつ送るところとか、どうしたらそんな発想が出てくるのか。ストーリーは元よりそういうひとつひとつの画の濃密さが癖になる凄い映画だった。