このレビューはネタバレを含みます
面白かった！と大声で言いたくなる作品だった。武さんの作品は初期の作品を今年はたくさん観て、美しい青とヒリヒリするグレーといつもどこか死の匂いがする孤独感が好きだったが、今回はその感じというより、現代感じることを時代劇の中に盛り込みつつも、それを笑いで笑い飛ばせるような芸人さんの武さんの色が強く感じた。
また、本当に人が恐ろしいくらい簡単に死ぬし、グロさがきちんとあるし、でも戦国時代なんて戦することが多かったのだろうから人の命の価値なんて、自分が成り上がっていく上での踏み台でしかないのだと思った。死が今ほど高尚なものではない感じがした。最後の終わり方も笑ってはいけないのかもだけど笑ってしまったし、荒川良々のシーンとか大爆笑だった。
また、男性同士の恋愛や、外人、上の立場の人パワハラとか、戦国時代のなかで、すごい面々の俳優さんたちで好き勝手やってるように見えて、色々盛り込まれていた気がする。（武さんの本も読んだことあるけど、重いテーマも小難しさより笑い飛ばしたり、皮肉ったりする感じが強く、今回はそれを強く感じた）
また、裏で暗躍する、中村獅童とキム兄が本当ににキーマンで物語がとてもわちゃわちゃして面白くなっていたし、間の取り方と演技の感じも良かった。あと、西島さんはイメージする堅物の明智感がすごい良かった。加瀬亮の信長1番楽しみにしていたけど意外に出番少なかった。浅野忠信と武さんと大森南朋のショートコントはかなり面白かった。
緩急ある物語展開で、先が読めないから割と長い作品だけど、全然飽きずに観られた。映画って面白いよね！って素直に思わせてくれたし、逆に疲れが取れる映画だった。
