ごn

首のごnのレビュー・感想・評価

(2023年製作の映画)
3.5
(アウトレイジ+オッサンズラブ)✕時代劇÷コント

撮りたい絵面先行、海外賞狙い、の、せいかなーと思われるような、無用に長い「はい、アートな和の感じ、ご賞味ください」シーンが2箇所あった。ぶっちゃけこの手のオモテナシは嫌い。
スケール感を期待したが、それほどではなかった。割とバストアップカット多め。思っていたより映像としては小さくまとまっていた印象。
オチはなんかまぁ、そういう感じでパシャンといきますよね、と、思ったけども、お笑いだと思うと、緊張と緩和になってなくて、ぐだぐだっとなった感から無理やり終わったみたいな感じになってて、まるで響かなかった。

汚なさ(不衛生な感じ)、安っぽさ(豪華絢爛ではない)、軽々しさ(某候という仰々しい会話はない)ゆえの生々しさ、は、最近ではなかなかみない時代劇。
リアルにこいういうこと、こういう情景、こういう会話であったんだろうなと感じるからこそ、笑うのを忘れて真顔で考えるとゾっとできる。
人が人を直接に切りつけて血しぶきあげて内蔵出して殺し合っていて、何かってーと首を落とす。それを民衆がみる。おーぞーましー。けど、それを晴れ渡る日常の中で昼飯ついでぐらいにやってる。きょわー。
動物的な血生臭さと狂気の沙汰を感じるし、大将の首ってのも、一応、本人確認のためなんだろうけど、本人の顔知らんやつが何を必死にとりあいっこしてんだということ自体がふざけてんのか?、おかしいだろ?でもこれが我々の正体なんだぜ、っていうシニカルな空気。これは斬新。

きむにぃが意外と出番多くていい感じ。
加瀬さんは今回演じててきもちよかっただろーなーと。
えんけんさんが、可愛くて可愛くて・・。
だけでなく、とにかく役者さんは豪華贅沢の極みだった。
首落とすシーンのCGはゴジラVFX越えクオリティで。
そこここにある、チョケた感じの会話コントは、おもろいけど笑うほどではなかった。いい意味で大味でテッパン。誰にでもわかる、ちゃんとお茶の間向けのお笑いになっていて、さすがやなぁ、と。


とかなんとか、いいところもある、けど、結果、アウトレイジの方が好き・・と思ってしまったので若干消化不良になった。
とはいえ、こういう時代劇を描ける、ここまで振り切れる胆力は、やっぱり唯一無二なんだろーなー。と。
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