るんさん

首のるんさんのネタバレレビュー・内容・結末

(2023年製作の映画)
2.8

このレビューはネタバレを含みます

鑑賞後、頭が「?」でいっぱいになった。
どうにも理解できなかったので調べると、古い名作映画をオマージュにしたシーンが多用されているらしい。

シュールなコメディシーンが多く、瞬発性はないものの後からじわじわと笑えてくる。フランスの会場では大爆笑だったそうだが、人を選ぶ映画だと思った。個人的には家康役の小林薫さんと、清水宗治役の荒川良々さんがツボだった。

男色については今この時代だからこそ、ようやくテーマに掲げることができたのだと思う。これは偏見かもしれないが、北野監督のご年代で性的マイノリティに理解ある方はまだまだ少ないと思うので、革新的だと感じた。

細かい部分だが、冒頭で死体の首からカニが出てくるシーンや、気絶して目覚めると既に死体に虫がたかっていたシーンはやや不自然に感じた。

ただ映像は美しく、丁寧に作られた印象。序盤からざくざくと首が切られるし、信長のパワハラもエグい。鑑賞する側も痛さに耐えるのだが、終盤になると耐性ができるのか、首を切られても不思議と痛みを伴わなくなってくる。サクサクとはねられ、雑に扱われる首を見ても何とも思わなくなる。そこにラストの捨て台詞がハマる。これが狙い通りなのだとすると、恐ろしい映画だ。
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