ちこちゃん

テノール! 人生はハーモニーのちこちゃんのレビュー・感想・評価

3.5
フランスの現代を音楽と捉えた映画と言えるのかもしれません。

やはり昨今のフランスの課題は移民と元からフランスに居た国民との融合でしょう。
本映画では、ラップが移民の象徴であることは、白人以外がラップに興じており、移民街が舞台となり、高層団地が住処であることから示されます。
一方、オペラは白人に代表されるものであり、オペラの先生が持っているオペラ座のクラスも白人ばかりであり、モーションをかけてくるジョセフィーヌは家に劇場を持つほどのお金持ちであり、主人公アントワーヌが家を追い出されて泊めてくれるクラスメートもオペラ座に多額の寄付をしている資産家である。

その移民下層階級のラップをやつていたアントワーヌがバイト先の寿司を配達した先がオペラ座内であったことから、オペラの先生であるマリーに才能を見出され、オペラと出会い、オペラ歌手を目指します。

見どころの一つはオペラ座です。本当に美しいオペラ座の外部と内部が堪能できます。
もう一つはオペラです。世界的テノール歌手ロベルト・アラーニャが本人役で出演していることから、最後に歌うプッチーニの「誰も寝てはならぬ」は素晴らしかったです。

昔はオペラにあまり興味がなかったですが、多くの音楽の中で、体を楽器として使う声楽の良さを再認識し、オペラだけでなくライブでのあらゆるジャンルの歌に非常に興味があることから、この映画も楽しめました
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