shinichiro

タブロイド紙が映したドリアン・グレイのshinichiroのレビュー・感想・評価

3.9
◎ 部屋で1人でカヌーを漕いでいたら荒野にひとりぼっち取り残された。

ドクトル・マブゼを中心とした秘密結社の地下組織がタブロイド各社を利用してドリアン・グレイのスキャンダルを仕立て上げ、カネを巻き上げる。会議を始めて最後は会議を途散らかされる。

映画内オペラを前衛的すぎると作中で認めていたが、細かいところではまさに話はよくわからなかった。オスカー・ワイルドのそれも好きだったから興味関心ルンルンで来たところかなりズッコケた。
でもそこまでの屈折度まで観衆を連れて行こうとしてくれてこちらもものの見事に右往左往している間に無理やりその世界観に引きづり込まれる。
架空のオペラとか執事の名前がハリウッドとか、ズレたハッピィバースデー、血まみれのナイフやテレビ画面に写るスクープ写真、殺し尽くした後の死後の世界とか、何が何だか、、
肖像は親の写真しかなかったが、ドリアンの容姿は美しかった。その相方も相変わらずキレイだった。ほぼ裸のオペラ衣装もかなりグッド!互いの顔を突き合わせた不様なツーショットが結構好みだ。
佐久島現代アートみたいなドラムの連なりや、オペラハウスの前にパパラッチが流れ込む様子、新聞だけでできた政治スピーチ場など見所が溢れていた。

総じてよかった!'ドリアン・グレイの肖像'の耽美的な要素をまとめて食らった感じ!
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