音楽が奏でられ続ける映画。死がそばにあっても悲しみの中でも風景や光は残酷にも美しいのが逆にリアルな感じがした。5,6年前には岩井さんの映画でアイナが主演を担うと今が来るとは思ってもみなかった。空洞のような埋まらなさと慈しみが同時にあって物語そのものがアイナだなって思った。外でのリハーサルのシーン美しすぎたな。物語で綺麗に魅せるんじゃなくてそれぞれの人をそれぞれの人のままただ描いたような映画でよかった。あからさまな大団円をつくらないのも余韻として残る。人生、という感じがする。
予想外に地元帯広がたくさん出てきて驚いた。樋口さんや粗品さんが不意打ちで出てくるのも楽しかった。
そして震災を真っ向から描いた作品だった。喪失を喪失のまま表現した本作はやりきれない思いを抱えながら歩く人によりそうような映画だと思った。