この映画の軸となっているのは音楽ではなく、2011年3月11日の何ヶ月前から始まる感傷的な過去の物語です。それをあらためて時系列で見直してみますとかなり雑な物語であることがわかります。
おそらく路上ミュージシャンの物語をやろうとしたものの、結局のところそれを膨らませようとして岩井俊二監督得意の抒情的かつ感傷的な過去へ戻っていく物語に頼ってしまった結果だと思います。
ただ前半に関してはアイナ・ジ・エンドさんの魅力と広瀬すずさんのコメディエンヌ的演技と、そして岩井俊二監督の構成力でそれなりに見られます。
後半は失速、冗長です。
「キリエのうた」音楽映画なのに、物語に音楽が絡んでこないもどかしさ…
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