ausnichtsさんの映画レビュー・感想・評価

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エドガルド・モルターラ ある少年の数奇な運命(2023年製作の映画)

3.0

ユダヤ人夫婦の6歳の息子エドガルドが異端審問警察によりキリスト教の修道院に連れ去られ、その後の両親の嘆願や訴訟にもかかわらずエドガルドはキリスト教徒として育ち、後に司祭となったという話です。

185
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辰巳(2023年製作の映画)

4.0

この映画、自主制作なんですね。映画会社はこういう映画を撮る監督をもっと大切にしなくっちゃね。

遠藤雄弥さん、森田想さん、それに10m以内に近寄っちゃダメみたいな演技をする倉本朋幸さん、俳優も皆いいで
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異人たち(2023年製作の映画)

3.0

原作「異人たちとの夏」も読んでいませんし、大林宣彦版「異人たちとの夏」も見ていません。

その日本語のタイトルから適当な想像をしますと楽しそうなお盆がイメージされますが、この映画のタイトルはAll o
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マンティコア 怪物(2022年製作の映画)

4.0

「マジカル・ガール」のレビューでは「これだけ作り手の才能が感じられる映画はめずらしい」と書いたカルロス・ベルムト監督です。

絶対悪とも思われる社会悪に果敢に挑戦しています。〇〇性愛者が自らの欲望とた
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劇場版 再会長江(2024年製作の映画)

2.0

テレビ番組ならぴったりはまると思いますが、ドキュメンタリーというにはちょっと苦しいですかね。

たとえば、10年前ツームーを上海へ連れて行ったことが本当に良かったのかといった視点とか、三峡ダムの貨物船
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プリシラ(2023年製作の映画)

3.0

プリシラとエルヴィスの出会いから離婚までが描かれています。

囲われ者同然の立場が続きますので、いつ自己に目覚めて自立するのかと期待して待っていましたが、最後までエルヴィス一筋の女でした。自立していく
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マリア 怒りの娘(2022年製作の映画)

3.0

中米を舞台にした映画には、グアテマラの「火の山のマリア」、ホンジュラスの「闇の列車、光の旅」、コロンビアの「そして、ひと粒のひかり」など記憶に残っているものがいくつかあります。

この映画はそうした映
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ゴッドランド/GODLAND(2022年製作の映画)

3.0

GODLANDのタイトルで惑わされてしまいますが、宗教者の映画じゃないですね。冒険写真家の話だと思えばわかりやすいです。冗談じゃなくです。

19世紀末にアイスランドで撮影された7枚の湿板写真が発見さ
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インフィニティ・プール(2023年製作の映画)

3.0

ブランドン・クローネンバーグ監督、父親の見えざる精神的抑圧に苦しむ姿しか見えてこないです。

父親のクローンになりたくない、そうとしか思えない、映画としては吹っ切れていない中途半端さです。

エログロ
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FEAST -狂宴-(2022年製作の映画)

3.0

ブリランテ・メンドーサ監督の映画を1本でも見ていれば、え?と思いますが、それにはちょっとしたわけもあるようです。

香港映画祭協会からの出資条件に、これまでの映画のようなセックス、暴力、政治ネタはダメ
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RHEINGOLD ラインゴールド(2022年製作の映画)

3.0

音楽映画かと思ったらギャング映画でした。もっと音楽を使ったシーンを増やせば中盤のもたもた感も感じずにすんだような気がします。

久々のファティ・アキン監督です。このところあまりいい映画を撮っていなかっ
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

3.0

大作主義の罠に陥ったクリストファー・ノーラン監督。

あんなに時間軸をシャッフルして編集したらオッペンハイマーの人物像なんて浮かび上がってきません。エピソード描きの映画を編集でごまかしたような映画です
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愛のゆくえ(2023年製作の映画)

3.0

漫画のコマ割りのようなつくりの映画です。

ワンカットでわかるでしょみたいなカット割りに感じますし、シーンの飛び方が映画的じゃないです。多くの場合、こうしたつくりは見る側のステレオタイプな意味以上のも
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デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

3.0

1作目は言葉での説明が多かったのですが、今回は俳優たちが演じていました。その分話はわかりやすいですが、物語が物語なだけに陳腐なシーンが多いです。

こういう映画は精神性がないとダメでしょう。

3作目
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コール・ジェーン ー女性たちの秘密の電話ー(2022年製作の映画)

3.0

1969年から1973年までイリノイ州シカゴで実際に活動していたジェーン・コレクティブ(The Jane Collective)という、当時違法とされていた妊娠中絶を秘密裏に行っていた組織を描いていま>>続きを読む

成れの果て(2021年製作の映画)

3.0

なにかいい映画を見落としていないかとレンタルサイトでポチッポチッとやっていて目についた映画です。

んー、あざとすぎますね。舞台劇をそのままやっているようで、シニカルを気取ったコント芝居にしか見えない
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ビニールハウス(2022年製作の映画)

3.0

プロット自体は面白いと思いますが、それを生かせていません。

メリハリのなさやリズムを作り出せない編集のせいでもったいない映画になっています。未熟さが出たということだと思います。

イ・チャンドン監督
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12日の殺人(2022年製作の映画)

4.0

21歳の女性の殺人事件を追う刑事たちの話ですが、犯人は誰だといったミステリー感やヒヤヒヤするようなサスペンス感を期待していきますとがっかりするかも知れません。

その手の映画ではなく、刑事が男ばかりで
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アバウト・ライフ 幸せの選択肢(2023年製作の映画)

3.0

マイケル・ジェイコブス監督って誰?

舞台やテレビを活躍の場とされている方でこの映画が映画初監督作品ということです。映画の元ネタが本人の1977年の戯曲「チーターズ」ということらしく、あるいはダイアン
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DOGMAN ドッグマン(2023年製作の映画)

4.0

リュック・ベッソン監督が帰ってきました。もう撮りたいと思うものがないのかと思っていましたが、映画の魅力を再発見したようです。

ダグはダークヒーローではありますが、ジョーカーのような復讐ものではありま
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蛇にピアス(2008年製作の映画)

3.0

映画の内容は、金原ひとみさんが芥川賞を受賞した2004年当時に原作を読んでいますのでおおよそわかっているのですが、映像にしますとそれなりにすごいものがあります。

この映画を今見たのは、「風よ あらし
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コットンテール(2022年製作の映画)

3.0

どちらかと言えば映画としてはありきたりな話なのに、兼三郎と明子の何十年という生活や、明子が若年性認知性を発症してからの大変であったであろう生活や、そしてまた兼三郎と慧の関係といった個別性を描いていない>>続きを読む

52ヘルツのクジラたち(2024年製作の映画)

3.0

原作が本屋大賞受賞作ですから感動させたい映画だろうと思って見てみましら意外にも抑えめに作られていました。

でも相変わらず虐待、ネグレクト、ヤングケアラー、それにこの映画ではトランスジェンダー、それら
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ソウルメイト(2023年製作の映画)

3.0

女性ふたりの関係がひとりの男性によって変化していくという割とありふれたドラマですが、男性との関係を奥に追いやって女性ふたりの関係に焦点を当てているのがとてもいいです。

ミソとハウンを演じているキム・
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落下の解剖学(2023年製作の映画)

3.0

法廷サスペンス劇かと思いきや、そうでもなく、夫婦間ジェンダー逆転トラブルかと思いきや、そうでもなく、結局、真実がわからない時、つまりは世の中で起きるほとんどのことは、自分が真実と思うことが真実と考える>>続きを読む

風よ あらしよ 劇場版(2023年製作の映画)

3.0

2年前にNHK BSで放映されたドラマの劇場版とのことで見るのを迷ったのですが、映画としてはともかくも、吉高由里子さんが人間の尊厳や自由を声を振り絞って伝えようとする姿には感動しました。

伝記もので
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瞳をとじて(2023年製作の映画)

3.0

ビクトル・エリセ監督、現在83歳、31年ぶりの長編です。それもドキュメンタリー作品の「マルメロの陽光」からであり、「エル・スール」からではなんと41年です。

その間も短編はかなり撮っているらしく引退
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ボーはおそれている(2023年製作の映画)

3.0

アリ・アスター監督には母親畏怖、さらに言えばキリスト教的罪の意識があるようです。エディプス・コンプレックスかも知れません。

ボーが母親の権威に恐れ慄く様を3時間見せつけれられます。さすがにファンでも
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夜明けのすべて(2024年製作の映画)

4.0

ファンタジーではありますがいい映画でした。

この映画が描いていることは、良くも悪くも今の時代が求めていることでしょう。

「夜明けのすべて」三宅唱監督のうまさと、上白石萌音さん松村北斗さんの俳優力…
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梟ーフクロウー(2022年製作の映画)

3.0

エンタメ系の韓国映画を初めて見ました。「圧倒的、没入感」の宣伝コピーに乗っちゃったわけですが、この映画で没入はちょっと無理かと思います。

サスペンスにするのであればタイトルの意味をもっと有効に使うと
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一月の声に歓びを刻め(2024年製作の映画)

3.0

第三章の前田敦子さんだけで映画にできれば相当なものになったような気がします。あるいは、第一章のカルーセル麻紀さんと複合的、かつ重層的に構成できればなおいい映画になったと思います。

それだけ第一章と第
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ジャンヌ・デュ・バリー 国王最期の愛人(2023年製作の映画)

3.0

マイウェン監督の映画は過去に「モン・ロワ 愛を巡るそれぞれの理由」を見ており、率直なところあまりうまい監督ではないのですが、この映画は意外にも面白かったです。

ルイ15世の公妾という、言葉としても奇
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熱のあとに(2023年製作の映画)

2.0

プロデューサー等製作関係者は新人監督に本当に才能があると思うのならもっと大切にしないといけないです。こんな映画でデビューさせることに問題があります。シナリオ、演出、編集、ロケーション設定、すべてがひど>>続きを読む

コット、はじまりの夏(2022年製作の映画)

4.0

子ども目線の映画というのはなかなか難しいと思いますがこの映画は勇気をもって成し遂げています。

一般的にはコトが起きるには原因と結果があるわけですが、この映画はほとんどすべてのシーンで原因と結果を描か
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彼方の閃光(2022年製作の映画)

3.0

「雨にゆれる女」「パラダイス・ネクスト」と見てきている半野喜弘監督ですが、モノクロ映像へのこだわりは感じられるものの肝心の何を描きたいのかがわかりません。

東松照明?長崎と原爆?沖縄と戦争?セクシュ
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

3.0

何をおいてもテンポがのろく長く、それに内容が単純で説明的で想像力が刺激されなくつまらない。

キリスト教的価値観で思考する者はすぐに神になりたがって人間をつくり、人間の本質を性だと考え、支配被支配でし
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